クラウドの記事が最近実に多い。ITを所有(資産)から利用(サービス)へと変える大きなパラダイムシフトを表す言葉だ。昨年の定額給付金で全国の自治体がセールスフォームを採用して、たった1ヵ月程度で新システムを稼働させたなど、既に話題となっている事例も多い。
企業のIT担当者に聞くとおもしろい答えが返ってくる。
セキュリティと稼働率が不安だというのだ。
たしかに社外の、しかも海外のデータセンターに自社の基幹情報を預けるのに不安があるのはよく分かる。しかし大手のクラウドプロバイダーは、例えばグーグルやアマゾンなども含めて、一般企業のデータセンターよりよほど厳しい基準でセンターそのもの及びデータを管理している。
例えば、全世界の1/3~1/4のサーバーを”所有”するグーグル。データを多重に暗号化して、且つ、一つのデータを分割して別々のデータセンターに保管する念の入れようだ。
問題はどうやらそういうことではなく、彼らの契約には保証はあっても補償がないことのようだ。
IT担当者としては、万が一の時に誰かが”補償”してくれないと、どれだけコスト面や運用面でメリットがあっても及び腰になるようだ。自分の首が飛ぶのが怖いということだと思う。
海外ではどんどんクラウドにシフトして、守りのITから変幻自在に市場の変化に対応する攻めのITに変えている企業が多く、IT担当者の意識も、経営陣もそうだろうが、リスクをとっているということだと思う。
日本企業も見習うべきである。
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